山田 2023.09.28

Blog「電気の契約プランを見直す」私のすまいづくりvol.43

 9月も終わりに近づき、ようやく秋を感じられる気温になってきました。今年の夏は一段と暑く、いくら今の基準の断熱性能を持つ家だとしても、エアコンが欠かせませんでした。以前vol.40では冬から春にかけての消費電力量を分析しましたが、今回は春から夏にかけての消費電力量を分析してみたいと思います。以下がこの間の消費電力量と電気料金になります。

5月中旬ー6月中旬:265kWh(7,446円)「はぴeタイムR」

6月中旬ー7月中旬:256kWh(7,793円)「はぴeタイムR」

7月中旬ー8月中旬:330kWh(6,946円)「従量電灯A」

8月中旬ー9月中旬:288kWh(5,917円)「従量電灯A」

 真冬の消費電力量が最も多い月が542kWhでしたので、真夏は400kwhくらいにはなるのかと予想していましたが、思ったよりも少ない消費電力量となりました。今年の7,8,9月はかなり暑かったので、夜間は寝室でエアコンをつけながら就寝し、朝からリビングでエアコンをつけることが多くありました。日中使わない時間帯もありますが、リビングでのエアコンの稼働時間は12時間くらいかと思います。子どもがまだ小さいため、各個室でそれぞれが使うということがない分、家全体でのエアコンの稼働時間は一般的な家庭に比べて短いかもしれません。

 以前のブログでも書きましたが、実験的に我が家のLDK(20畳)に対して、一番能力の低い6畳用(2.2kW)のエアコンを使っています。真夏の一番暑い時期に果たしてどれくらい室内を冷やすことができるかが気になっていたところですが、結果としては全く問題なく稼働してくれました。実際、冬よりも夏の方が快適な室温にすることが容易に感じました。やはり冬場は外気温0°から室温20°くらいまで上げる必要があるため、夏の40°から27°に下げる方が能力的にも楽なのでしょう。冬場はサーキュレーターがないと空気にムラができてしまう感じがあったのですが、夏の場合は特にサーキュレーターも必要がありませんでした。もし、冬場の暖房をエアコンに頼らず床暖などで行う場合、夏場だけ必要なエアコンの能力はもっと小さくていいように感じます。それこそ6畳用で30畳くらいはカバーできるのではと思います。
 冬はできるだけ太陽光を室内に取り入れ太陽光の熱エネルギーを室内に留めるようにしますが、夏の場合は逆で、できるだけ太陽光を室内に入れないような工夫をします。ただし、カーテンなど屋内側で遮蔽しても太陽光は一旦室内に入ってしまい、熱エネルギーに変わってしまうのであまり好ましくありません。やはり屋外で遮蔽をする必要があります。我が家の場合は軒と庇を南側に深くかけ、日射遮蔽をしています。簾や葦簀、ゴーヤや朝顔などの緑のカーテンでも効果があります。

南面の軒と庇 窓面は庇により影になっています。

 さて、思いの外消費電力量が少なかったこの春から夏でしたが、電気料金は消費電力量に関わらず乱高下していました。これは燃料費調整額に起因していて、その月々によって増額になったり減額になったりしていました。せっかく消費電力量の少ない月があっても燃料費調整額が高いせいで消費電力量の多い月よりも電気代が高くなってしまうこともありました。なんかモヤモヤします。
 また、夏場は日中にエアコンをつける時間が長くなると予想でき、オール電化用の契約では割高感があったため、契約内容の見直しも含めて春の間に色々と調べてみました。その結論としてはオール電化用の契約(夜中が安く、日中が高い電気料金の設定)は基本料金が高く、燃料費調整額の上限もないため消費電力量が少ない場合、あまりお得感がありませんでした。また、我が家の場合は調理や家事は朝や夕方にすることが多く、夜間の安い電気料金の設定で恩恵を受けるのはエコキュートの炊き上げだけでした。日中に電気を使うと普通の従量電灯のプランよりも割高のため損ですし、夏場は日中はエアコンを使い、お風呂に入らずシャワーで済ますことが多いため、夜間のエコキュートの炊き上げはわずかしかありません。そんなこともあり、夏が始まる前に契約プランを「はぴeタイムR」というオール電化用のプランから一般的な「従量電灯A」に変更しました。今は前もってアプリでシュミレーションもでき、我が家のこれまでの生活の仕方では「従量電灯A」の方が電気代が安くなるとの結果も出ていました。

はぴeタイムR:基本料金2,409円


従量電灯A

 ではプランを変更した結果、電気代はどうなったでしょうか。上記の5〜7月が「はぴeタイムR」、7〜9月が「従量電灯A」の契約です。燃料費調整額が月によって変動するため、単純な比較は難しいのですが、電気料金を消費電力量で割ってやると1kWあたりの単価が出せますので、それで比較をしてみることにします。「はぴeタイムR」の場合平均で30円/kW 前後となり、「従量電灯A」では21円/kW 前後になりました。かなりわかりやすい結果となりました。ただし、冬の場合は300kWhを大きく超えてしまう月もあるため、消費電力量だけにかかる費用は「はぴeタイムR」の方が割安になると思われます。ただ、基本料金の差と燃料費調整額が現在のように高いままだと、結果的に冬でも「従量電灯A」とあまり変わらない気がします。消費電力量の少ない春、秋は完全に「従量電灯A」が割安ですし、給湯量が少なく日中はエアコンを稼働する夏は特に「はぴeタイムR」はデメリットしかありません。

 「はぴeタイムR」の場合は日中電気を使うと割り高なので、電気を使う時間帯を気にしてしまい、ついつい生活リズムまで料金プランに影響されてしまいます。「従量電灯A」では時間帯の区別がないため全く気にせず使えます。また、「はぴeタイムR」の場合はエコキュートが電気料金の安い深夜に炊き上げを行うため、睡眠中に稼働音が気になったりもするのですが、それも「従量電灯A」では日中に稼働させれば良いため音も気になりません。さらに、エコキュートは空気中の熱を利用したヒートポンプであるため、真冬の深夜に炊き上げるよりも日中の暖かい時間帯に炊き上げた方が、消費電力量も少なくて済むのではないかと思っています。このようによくよく考えてみたら圧倒的に「従量電灯A」のほうが使い勝手もよく、電気料金も安くなるため、良いことづくしです。各家庭の生活の仕方によってはオール電化用のプランの方がお得な場合もあるかもしれませんが、今のところ我が家では一般的な「従量電灯A」のプランの方が合っているようです。

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