清原 2023.07.28
Blog照明器具の選定 すまいの細部を考察する Vol.30
照明器具でいろいろなシーンに対応できるように変化を付けたい。省エネ基準の中に多灯分散型照明の配置計画というものがあります。すべての照明をつけて活動的に過ごすときと、照度を落としてゆったりと過ごすときなどで、照明を点け分けるものです。昔は一つの部屋に一つの照明でしたが、今はいくつも照明が付いています。町の電気屋で売っているような普通の照明器具ですら、調光調色ができるというご時世。照明の色や照度も変えられるのが当たり前になりつつあります。
物によっては青・緑・ピンクなどフルカラーで変更できるものまで登場しています。LED技術の発展は目覚ましいですが、そうそう色の変化を楽しむようなことがあるのだろうか、とも思います。使い始めて1週間もすれば飽きてきて、後は同じ色のまま過ごすのではないかと思えます。
話変わって、改装計画を立てている現場で、和室の照明のスイッチを付ける場所に苦しんでおります。和室の入り口は引違いの襖で右を向いても押入れの襖、左を向いても押入れの襖、壁は対角側にしかなく離れているので、暗がりの中ではたどり着きにくいのです。苦肉の策で入口引き戸の上の垂れ壁にスイッチを付けるという離れ技です。もうこれはアレクサに頼むか?とまで思いましたが、おばあちゃんも時々訪れる部屋にAIもないだろうと思います。リモコン器具を使ってみたりも考えますが、このリモコンがどこにいったか分からなくなるので、結局定位置に置いてあるようなリモコンでは壁スイッチと変わりありません。和室なら特に天井照明はたくさん付けるのを避けたい。やっぱり多灯分散型というような計画はリビングで広い部屋に限ると思われます。
夜が更けるにしたがって徐々に照度を落としていくというのがいいと思います。体も気持ちも休めていくといった感じですね。あー、いろいろできるというのはいいのやら悪いのやら。うまく計画しないと住まいがテーマパークのようになってしまいます。テーマパークに住みたい訳ではなく、いい感じにしたいだけなのですが・・・