清原 2023.02.28

Blogスタンドライト  すまいの細部を考察する Vol.23

これはもう趣味の世界と笑われそうですが、スタンドライトに凝っています。にわか趣味です。シェードの壊れたスタンドライトの中古品を買っては、布を張り替えてみたり、軸の部分をやり替えてみたりしています。というのも、ある住宅本で見つけたスタンドライトの美しさに一目ぼれをしまして、その雰囲気を何とか出せないかと四苦八苦しているのです。直しているとわかるのですが、シェードの部分のほとんどは、乳白のプラ版に布が貼ってあります。このプラ版がどうも気に入らない。布そのものの美しさをそのまま使いたいのにプラスチックに張るなんて、愛せないのです。布は布らしく使いたい、生地の種類によって皴の出来具合が違います。それがプラ版に張ることによってみんな均質になるのです。

スタンドライトのシェードを張替えのために解体

いろいろ作っているうちに部屋にはいくつものスタンドライトが灯り、これはヨーロッパに見る多灯分散型照明だと。いい感じです。その分建築で用意していたダウンライトを点けなくなりました。そういえばflameさんのショウルームはペンダントライトとスタンドライトしかないのにとてもいい雰囲気です。

これのことか。ようやくその良さに気が付いてきました。確かにダウンライトもスポットライトも器具としては愛せない。現代的な照度を作る機械ですね。器具を愛するのではなく、光をめでるものですね。

分散型照明、ものがありすぎて灯の良さが出ていませんが。

小さな明かりを分散して点けると部屋に変化が生まれます。均質な明かりではなく素材の持つ変化がその部分ごとに生まれます。海外ドラマを見ているとそういえばスタンドライトの明かりがよく見られます。室内も暗いです。日本の雰囲気と違うのはそのせいですね。照明が違いました。

手持ちの生地で張り替えしてみました。プラスチック版に貼るのではなく袋状に紐を通して縛るだけです。

ただこれの難しいところは建築的に用意するものではなく、住む人が欲しいところに配置していく必要があります。設計者のする計画ではないのかもしれません。暮らす技術ですね。ほんとは設計で用意しすぎているような気もするのですが、あまり少なくすると暗いと言われてしまいます。難しいものです。

*後から気付いたのですが、一目ぼれしたスタンドライトもflameさんの「flame + minä perhonen」でした。