清原 2023.02.17

Blog簡易なエアコン すまいの細部を考察する Vol.22

高気密・高断熱がうたわれだしてシビアに設計していると、エアコンの能力選定では一つのエアコンで全館冷暖房できてしまいます。でもね、生活はというと子供たちは完全に部屋のドアを閉ざして閉じこもるので、すべての部屋に空気を回すなんてことができないのです。で、結局一家にエアコン4台となってしまうのです。まあリビングはよいとしても、各個室6帖に6帖用のエアコンは能力が高すぎるのですが、それ以下の能力のエアコンはそもそも売っていないのです。家の外には室外機が4台と派手なもんです。家全体で考えると必要な能力をはるかに超えた機械を搭載していることになります。イニシャルコストも馬鹿になりません。そこで、スポットエアコンやウィンドウエアコンも考えてみましたが新築したのに窓をふさぐなんて考えられません。

ウインドエアコンはいかにも後で取り付けた感じです。

また、エアコンの厄介なところは設置工事が必要だというところ。家電製品なので耐用年数は15年前後、そのたびに工事依頼。子供部屋なんてたかが10年必要かどうか。そのあとは使わなくなった部屋にエアコンがあるだけ。余っているから知り合いの人に譲るなんてことは取り外しに費用が掛かるのでできません。家電なんですから電気屋さんで買ってきて、日曜大工で壁につけたらその場で使えるような小さなエアコンが理想的なのですが、仕組みから考えるとどうしても排熱しなければいけません。給気口として開いている穴にパイプをつなげばハイ出来上がりと、ならないでしょうか。壁掛けは邪魔にならなくてよいのです。

床置き式のスポットエアコンも窓から排気をするので、このような感じになりますが、必要な時だけ出してこれるのがいいところ。

OMソーラーや全館空調を計画された家以外はエアコン設置のためのコンセントが各部屋についています。室内に関しては従来の壁かけエアコンの見た目のままでよいのですが、室外機と一体となっていて、たいそうな設置工事のいらない小さな能力のエアコンを開発してもらえませんかね。予定のエアコンスリーブから排熱を出し、防雨フードを付けるだけの工事いらずの商品を。

外観修景いらずで景観条例にもピッタリです。室外機があるから効率がいいというのもわかりますけどね。

下の写真は海外製品。上げ下げ窓に設置するものです。

その後、試しにと思ってスポットエアコンを購入してみました。音がうるさくて実に不評です。お薦めできるようなものではありませんでした。普通の壁掛けエアコンが今のところはいいでしょうね。