山田 2023.01.29

Blog「ウッドデッキ 製作 後編」私のすまいづくりvol.33

 前回は木製束を丸ノコで切るところまで終わりました。この後の工程としては大引に木製束を取り付け、束石に立てていきます。デッキの両端は3つの束が全て木製束なので、まずはこの二つを束石の羽子板とビスで留めつけ固定します。その際には大引の水平と、2本の大引の根元と先端での空き寸法も確認します。とりあえず同じくらいの空き寸法になっているし、一応外壁に対しても直角となっているようなので、よしとします。

 両端以外の大引には外壁側または中間部に鋼製束が取り付くため、束石にあわせて位置と高さを調整しながら仮で並べていきます。高さについては後からでも調整ができますので、大体です。全ての大引が並び終われば、次は鋼製束の台座の部分と大引をビスで留めていきます。束石の羽子板の際もそうでしたが、鉄の板に丸い小さな穴が開いていて、そこ目掛けてビスで固定するため、穴の中心をちゃんと狙ってやらないと、上下に結構ずれてしまいます。1mmずれただけでも水平が取れないため、結構シビアな作業になりました。また、運悪く木材の節近くにビスを打つことになると、ビスが途中で折れてしまうこともあります。何箇所かはビスが途中で折れました。

大引の端部に水糸を張り、高さと配置の目安にしています。

 鋼製束が大引に固定できれば後は束石と鋼製束をボンドで接着します。ボンドで接着した後、鋼製束と大引を留めつけたほうが良いのかどうかはよくわかりませんが、今回のように大引に固定した後でボンドで接着する場合は鋼製束と束石の間にボンドの先端を突っ込む十分な隙間がないと施工がしづらいです。
 鋼製束を接着していく際には大引が建物に直角になっているかどうかをみる必要がありますが、そのような器具を持っているわけでもないため、既に固定されている両端の大引からの空き寸法を測りながら微調整をしていきます。中々に面倒な作業でした。

 1日おいて接着剤が硬化した後に鋼製束をグリグリ回して高さを調整します。2本のスパナを使って調整するわけですが、慣れていないため高くなる方向と低くなる方向がどっちがどっちかすぐに分からなくなってしまいます。何度か無駄に逆方向に回したりしましたが、なんとか調整ができました。高さを確認する際は、真ん中あたりの大引の上にレーザー墨出し器を置いて、それぞれの大引の天端にメジャーを立て、レーザーが照射される高さが同じとなるようにしています。

メジャーの14.2cmくらいの位置に緑のレーザー照射されています。14.5cm程度までスパナで高さを調整します。

 下地が出来上がったわけですが、束をボンドや羽子板で束石に固定しているだけのため、それぞれの大引は結構グラグラしています。ある程度予想はしていましたが。このグラつきを軽減するため、外壁側の木製束同士を根がらみ(板塀で使った120mm×15mmの桧板)でつなぎます。すると、思った以上にしっかりとしました。木製束自体が何本かおきにしか設置していないため外壁側が鋼製束の大引きは相変わらずグラつきますが、デッキ材を張って大引き同士が固定され、さらに先端部分の木製束同士が根がらみでつながれれば、かなりしっかりとした感じになると思います。

根がらみを外壁側の木製束に取り付けています。

 ここからようやくデッキ材を張る工程になります。ウッドデッキ製作のハイライトです。デッキ材には桧板の120mm×30mmを使い、90角の桧の大引に留めつけていきます。板と板の隙間は5〜10mmくらいの範囲を考えていましたが、デッキの割り付けを考えるとおおよそ7mmくらいがちょうど良さそうです。間に板を挟んで均等に張っていくつもりですが、6mmと8mmの材料はありますが、7mmの材料が家にはないため、半分まで6mmの木材を挟んで張っていき、後半は8mmの隙間にする予定です。手前は庇がかかっていて濡れにくいのですが、先端の方は雨ざらしになるため、デッキの雨水が落ちやすいという点からも隙間が広いのは悪くありません。使用するビスはステンレス製のコーススレッド65mmです。角穴のブラウン色に塗装されたデッキ用ステンレスビスが理想なのですが、あまりに高くて諦めました。

 デッキ材は外壁側から張っていきます。ビスを打ってみると思いの外硬く、何本か打った後に途中で折れてしまうビスが出てきました。どうやら下穴を開けてやったほうがよさそうです。下穴を開け、ビスを打つといい感じで入っていきました。面倒ですが、下穴を空けビスを打つことにします。ただ、下穴を開ける際にすんなり入る時と、ぐっと力を入れないと入らない場合があり、後者の場合、下穴を開けていてもビスが途中で折れてしまいました。きっと大引の節近辺の硬い部分に当たってしまっているんだと思います。力の入れ具合など色々試してみましたが、硬い部分ではどうやってもビスが折れてしまうため、諦めて違うビスを購入することにします。我が家の近所には大工さん達がよく利用している金物屋さんがあるため、そこで相談してみると堅木用のコーススレッドというのを勧めてもらいました。デッキ用ビスよりは割安で、今使っているビスよりは丈夫そうに見えます。何本か打って同じように折れてしまうようなら返品してもらっても大丈夫ですと言ってくれたので、とりあえずこれを試してみることにします。

穴だけ開いているところは途中でビスが折れてしまったところ。ビス自体はデッキ材のだいぶ奥の方で折れるため、危険ではないですが、デッキ材を取り外すことはできなくなりました。

 さて、改めてビスを打ち始めます。ドリルで下穴を開け、これまでであれば折れていたような硬い部分に新たに購入したビスを打ってみると、今回はいい感じで折れずに入っていってくれました。やはりビス自体の強度が重要そうです。ただ、堅木用のコーススレッドも最初に使っていたビスよりも高い上、すでにコーススレッドも必要数量を購入しています。なので、必要に応じて堅木用と普通のコーススレッドを使い分けることにします。

 ビスの固定や下穴を空けるドリルはインパクトドライバーと呼ばれる工具を使っています。回転するだけでなく、必要に応じて打撃を与えてビスなどを留めつけてくれます。打撃が加わる際にはガガッと結構大きな音が鳴り、ちょっと近所迷惑な音量になっています。その音がなると結構な抵抗があるということなんですが、下穴を空けるドリルの場合でも、たまに音が鳴ります。その場合はきっと節に当たっているんだと思うのですが、ここに堅木用のビスを打とうとしても残念ながら途中で折れてしまいました。そんな感じで、失敗を繰り返しながら下穴を開けたときの感触で、普通のコーススレッド、堅木コーススレッド、諦めて違う箇所にビスを打つ、という選択肢を使い分けながら、進めていきます。

デッキ材の間には、下に落ちないようT型に接着した板を挟み、均一な空き寸法を確保しながらデッキ材を張っていきます。


デッキの下に排水管の点検口があるため、手前の3枚は取り外せるようにしています。


ビスが長すぎて先端が見えちゃってます。滅多に開けることはないので、とりあえずこのまま放置です。

 デッキ材を張り終えると、3方に幕板を取り付け、先端に根がらみを留めつけ、最後にデッキ材に2度目の塗装(まだ出来てません)を施して完成です。ウッドデッキの製作は思っていたよりも、時間と、手間と、頭を使いました。よくDIYで作ったという紹介がネットに載っているので、もう少し難易度は低いかと思っていましたが、かなり手強かったです。

ウッドデッキ完成 最後の塗装をしたいところですが、雪のせいでデッキが乾かないため出来ていません。

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