Works木を活かしたグループホーム -わくわくホームひろせ-

About

 今から20年ほど前に共同作業所の改装に関わらせていただいたことのある法人さんから依頼を受け、設計をさせてもらった障害者のためのグループホームです。
 南には田んぼが広がり、北側は道路を挟んでお寺の敷地となっており、南北に気持ちの良い風が通ります。田植えや稲刈りの風景は四季の移り変わりを感じさせてくれます。
 敷地の条件から一戸建てよりも少し大きい程度の建物しか建てられないため、昨今の建設物価の高騰や建物の規模なども考慮し、木造で計画しました。
 日当たりが良く気持ちの良い南側に共用空間である居間を配置し、居住者が自然と集まってくれることを期待しています。個室は北側に配置しているため、道路側に多くの室外機が出てしまいますが、道路から見える景観にも配慮し、室外機置き場をデザインしてます。
 1、2階で男女を分けたいという希望もあり、玄関はそれぞれの階に設けています。各階ごとに集まって食事をするため、それぞれの階にキッチンがあり、主に1階で調理をし、2階のキッチンは温めと配膳用です。
 施設ではなく住まいをつくりたいという想いもあり、住宅らしい木に包まれた落ち着いた空間になっています。

Data

建築主
社会福祉法人 島本福祉会
敷地
島本町 175.90㎡
構造・規模
木造 2階建て
延べ面積
171.78㎡
施工
村尾工務店
竣工
2019年5月

道路から見る外観 モノトーンの色合いで落ち着きを出しています。1階は板張りにウッドステインプロテクター(黒色)の着色、2階はリシン吹き付け仕上げ。室外機を隠しながら道路側の美観にも配慮したファサードとしています。


1階居間 腰壁に杉板、床材はくるみを張っています。くるみは硬い材料のため、居間で椅子や机を使っても傷がつきにくいです。


居間から南を見る 植栽の奥に田んぼが広がり、明るい日差しと心地よい風が入ってきます。


個室1 各部屋ともベット、テレビ、衣類収納がおけるレイアウトになっています。床は桧材としています。


個室2 居住者が思い思いの家具を持ち込まれています。


2階居間 天井が屋根の勾配なりに高くなっており、明るく開放感のある空間です。


2階ベランダ 洗濯物も十分に干せる奥行きがあります。木部を守るため深い庇をかけています。


2階ベランダからの眺め


南からの外観 南には田畑が広がり、緑豊かな眺望が広がっています。土の匂いや虫の音など四季の移り変わりを感じられます。