Works西七条保育園

About

 2009年度の老朽改築工事の補助金を受けて、定員120人から150人に増やして建て替えられました。昭和40年(1065年)以来の保育実践を基礎として、どんな新しい「にしなな」をつくるのか、職員・保護者・OBの皆さんたちが力を合わせ、議論を重ねてできてきました。子どもたちを小さなグループで保育したい、どのクラスも園庭に繋がりたい、みんなが顔を合わせる玄関、クッキングのできる食堂、創作活動ができる多目的な部屋、桧の床や杉板の壁に・・・思いはいっぱい広がりました。既存園舎から見えてくる大事にしていきたいこと、改善したいこと、新しく取り組みたいことなどを抽出し、「子どもたちの自治がそだつ」をキーワードに保育空間ができていきました。
 京都市所有の既存敷地の北西側にL型に配置された既存園舎を仮設園舎として利用し、新たに東隣地を市から借り受けて新園舎を配置しています。
 

Data

工事種別
新築
所在地
京都市下京区
構造規模
RC造2階建て
延床面積
1370.86㎡
施工者
(株)長村組
竣工
2011年2月

正門より 右手桜の向こうに新園舎が建つ 門扉や銘板は既存園舎で使われていたもの

 

園庭から西の外観を見る みんなが園庭を通って園舎に入るのは、「にしなな」のこだわりです。地域の人たちも気軽に入って来られるように、事務室は一番にお出迎え出来るアール部分に。通勤の靴をどろんこにしたくないという保護者の希望でアプローチ通路をタイル貼りにしている。


玄関ポーチは深い軒下空間に。外部足洗いからの動線や玄関内に砂を持ち込まないための人工芝エリアなど工夫が施されています。


念願だったみんなの玄関 玄関木製建具には色ガラスを入れました。下駄箱の上の掲示板をたっぷり取っています。


玄関正面にダイナミックな螺旋階段を設けています。トップライトで光を落として真ん中の明るさを補なうとともに、1・2階を視覚的にもつないでいます。 この階段は2階に保育室がある乳児さん専用で、3〜4段登れば踊り場があるゆったりした階段です。廻りながら階段の向こうにある食堂やホールも見通せます。


先に行ってる子を見ながら、自分で見通しを持って自分のペースで上り下り。先生たちもゆったり声かけ。


階段下は小さなたまり、絵本コーナーになっています。


だんだんベンチに腰掛けたり。 階段の裏にはクッションを貼っています。


多目的に使われるホールはできるだけ広く、明るく見通しの良いところに。 子どもたちのしなやかな体を受け止める桧の床板。


ホールにつながる食堂


クッキングのできる子ども用の調理台は配膳代としても大活躍。左手にはししおどしのある日本庭園があります。


調理室のカウンターは子どもに合わせた高さに


一時保育室は1階の一番奥にあり、直接外からも入れる位置に


1階南向きに1・2才児保育室があり、専用の園庭があります。思う存分どろんこあそびや水遊びを楽しみます。


階段上部のトップライト 右手奥に乳児保育室への引き戸があります。


0歳児保育室 午睡室の畳コーナーは障子風の建具で仕切っています


乳児用園庭は1階事務室の上を屋上緑化しています。


2階4・5歳児の保育室は、それぞれ建具で仕切ることができます。


創作活動に利用される部屋があることで、作りかけの作品をそのままにすることもできます。紙芝居や絵本もたっぷり収納されています。


左側が既存園舎、右側の新園舎が竣工し、解体前の最後のバザーの風景です


工事途中、上棟式を行い、年長さんが太鼓を披露してくれました。