清原 2025.12.17

Blogお気に入りの家具を持 っていますか?  住まいの細部を考察するvol39

 先日写真家さんのお話を聞く会があって、引っ越しの写真を撮っている話を聞きました。 賃貸住宅の引っ越しで次の住まいに行ったときに、手持ちのお気に入りの家具を並べてい くとやっと自分の家らしくなってくると話されていました。そんなお気に入りの家具を持 っていますか?

 最近ではクローゼットが造り付けられているのでタンスは持っていない。というお宅が多くなってきているように思います。ハンガーにかける服が多くあって、その下にはクリアーケースの引き出しを置くくらいかなぁ、と。クリアーケースにお気に入りも何も使いやすいかどうかぐらいで、何ひとつ愛せません。 サブスク時代ですから所有よりも利用ですって感じてす。でもやっぱりあこがれはイギリ スなんかで見られるアンティーク家具を少しだけ持っていてそこに大事なものだけを詰め ている。

 おばあちゃんの代から引き継がれている食器棚に並べてある民藝の器たち。気に入った食器を大事に使う。初めてのワードローブにお気に入り の服だけが入っている。とか、もう昨今聞いたことがないよう なセリフです。 モノは利用し終わったら次の代へ行くことはなく捨てるのが常 識とさえ思えます。 すまいの設計をしているときにサイズがまちまちの手持ちの家 具を置いて隙間ができるよりも、作り付けの収納を用意して大 事なのは中身ですと、口には出さないけれどもそう思っている ような節があります。

 ワードローブや食器棚はちょっ と美しいものも想像できますが、 家電収納なんて機能でしかないようなものしか思いつかない のです。わが想像力の貧困さに泣けてきます。 手持ちの家具を並べて美しいと思えるような部屋が設計出来 ているのだろうかと、はたまたそれを求められているのだろ うかも同時に考えつつ計画ができているのだろうか。 住み手自身が育てられるような住まいでありたいと思います。

  そうして徐々に自分の家になっていくのだと思うのです。個 性の少ない団地好きはそこなんじゃないかと思います。