清原 2024.05.08

Blogきづれパネル ーすまいの細部を考察するー Vol.36

とある勉強会で、製材屋さんと構造設計者と一緒に話すことがあって、私の昔の考えがよみがえりました。住友林業が独自開発した外壁下地パネル。15年ほど前に通りすがりに見た現場で発見。あの頃あれは何だろうと想像を膨らますだけでしたが、ふと思い出してあれが地域材で作れたら林業振興にもなるし合板嫌いな人でも無垢材で面材の耐力が取れると熱弁して盛り上がりました。

施工写真

帰ってから検索を掛け「きづれパネル」という製品で、耐力壁とモルタル下地と通気材が複合されたものだとわかりました。想像の通りで耐力壁認定がとられていました。製造元の製材所のホームページに商品として載っていましたが売ってはいただけないと返答されました。耐力壁認定も住友林業が持っています。本社に問い合わせましたが、何一つ答えていただけませんでした。今、無理やり入手できたとしても認定書が手に入りません。販売時期から想像すると特許は切れているはず、もうこうなったら独自で開発か。耐力壁一つ大臣認定を取ろうとすると1000万円かかると言われています。ハードルが高いのです。

これね、うちの仕様では外壁側に耐力壁となる面材(ハイベストウッド)と通気胴縁t15とモルタル下地のきずりt11を貼るわけです。それを一つの製品で3つの機能をかなえているわけです。無垢材と言っても接着剤で貼り合わせたバラ板ですが、材料は製材品。カツラ剥きをした合板ではありません。昔から何とか手に入らないかと思ってはいたけれど、行動したことがなかったのです。今調べまくって住友林業に問い合わせてみたけれど、「何ひとつお答えすることができません。」と、一言お返事をいただいただけです。

さて、これからどう動いてみるか。製材所・構造屋さん・研究機関と相談です。住友林業にだけ使わせておくのはもったいない。材料自体は一般流通材ですから。