Works小さな変形敷地に建つ保育園 -ひまわり保育園-

保育園

About

 長岡京市で初の産休明け保育を実施する為に、40数年前に認可外の共同保育所として開設されて以来ずっと、移転・資金づくり・土地探しを続けてきた保育園です。私たちも20年近く認可運動のお手伝いをする中で、2015年には小規模保育施設への改修にも関わらせていただきました。
 「この土地で就学までの保育園が建つでしょうか」と送られてきたのは、高速道路沿いの500㎡にも満たない変形敷地でした。これが長年の夢の実現への始まりです。
 定員からすると、保育室や園庭は基準面積ぎりぎりで、敷地内に十分な空地を確保するのは困難でした。しかし、現地に立ってみると、予想以上に高速道路の位置が高く、高架下の公園利用も併せその向こうに広がる西山の眺望が良く、外とのつながりを活かした保育園のプランができそうだと思い直しました。
 ひまわりの保育は食育が特徴の一つです。玄関に近く、保護者も子どもも前を通る調理室は、他の部屋より床を下げて調理員さんと子どもたちの目線を合いやすくしています。幼児さんはおかずを受け取り2階の保育室に運び、片付けも子どもたちの仕事です。
 2階の3つの幼児保育室では2歳児を含めた5才児までの縦割り異年齢保育を行っています。これは共同保育所時代からの長い実績を大切にした結果で、いろいろな年齢いろいろな子どもが刺激し、認め合いながら成長します。保育室前の広いテラスの透明な手摺越しに室内からでも山並みが見え、下階の築山で遊ぶ乳児さんたちの姿も眺められます。3階には職員スペースを配置し、コンパクトながらも人や外とのつながりを大事にした園舎ができました。

Data

建築主
社会福祉法人 ひまわりっこ
敷地
京都府 長岡京市 410.47㎡
構造・規模
RC造 3階建て
延べ面積
553.00㎡
施工
株式会社 長村組
竣工
2018年3月

保育園
外観
3階のテラスはプールが置ける広さがあります。2階のバルコニーから屋外階段で右側に見える擁壁の向こうの築山頂上に降りてこれます。


玄関からホールを見る


1階ホール

ホールから厨房を見る
子どもたちから調理の様子がよく見えます。手前のシンクは子どもたちが使えるように低くなっています。


乳児保育室
保育園は高速道路の高架のそばに位置していますが、築山と高架下に見える西山の連なりで圧迫感はありません。築山には2階の幼児さんたちも遊びに来ます。


乳児保育室の隅っこは築山に守られて落ち着ける空間です。


築山で遊ぶ乳児達です。上り坂は発達に欠かせません。


乳児保育室から専用のテラス・園庭を見他ところで、乳児さん専用で安心して遊べます。 奥はほふく室です。


ほふく室
天井には飾り付けが吊るせるように木製のルーバーがあります。押入れの下は格好の遊び場になるでしょう。


階段室
北山杉の垂木丸太が林立しています。


2階廊下 2階は幼児さんたちの保育室があります。
保育室への扉の取手も北山杉の垂木丸太です。


廊下にはベンチが所々に設けられていて、集団から少し離れてホッコリできる場所になっています。


幼児保育室A


幼児保育室B


幼児保育室C
それぞれの部屋を隔てている家具を移動し、建具を外すと2階は広いワンルームになり生活発表会などの行事ができるようになっています。


2階の幼児保育室前には広いウッドデッキがあり屋外の遊び場になっています。ここからも西山が一望できます。


多目的室
縦割り異年齢保育が原則ですが、年長児さんだけが何日もかけて作品作りをするなど多様な使い方ができる部屋があります。


3階のテラス
奥行きの深い屋根の下に、夏はプールが置かれます。


プールで大はしゃぎです。深い屋根と日よけネットが強すぎる日差しから子どもたちを守ってくれます。