Works路地奥の隠れ家的カフェ「ふきまんぶく」

About

 Tさんに相談を受けて見に行った路地奥の小さな平屋の建物は、屋根が朽ち落ちて穴が開き、壁も剥がれ落ちた木造の小屋でした。定年後に地域食堂として使いたいが、何とかなりますか?と。
 Tさんは小学校の給食調理員さんです。いつでも立ち寄れる地域の憩いの場所になるのではと近所からも期待の声が上がります。さて、この建物、ほっておいたら今にも崩れてしまいそうです。大まかな計画をたて、まずは屋根を直さないといけません。
 庭までいっぱいに増築されていたのを撤去して、建設当時の形まで戻し、ささやかに外部空間を作ります。3 間角の大きさに庭とトイレが付き、客席14人分を確保する計画です。大 きな骨格は工務店さんにお願いしましたが、予算のこともあり、先に定年した博さんと私とで現場作業です。
 家具づくりを趣味としていたこともあり、テーブルを作っていただき、壁塗りは洸さんも交えて 3 人でやりました。
 廃業した製材所かいただいた一枚板のテーブルやカウンター、古建具の窓たち、流木を あしらった引手も素人作業とは思えない出来で、感じのいいカフェとなりました。
 近所の小学生とおじいちゃんが常連の心温 まる地域カフェです。

「ふきまんぶく」
cafe の名前は田島征三さん の絵本のタイトルからだそうです。

Data

工事種別
改装
所在地
左京区吉田下阿達町22-18
構造規模
木造平屋建て
延べ床面積
27.34㎡
施工者
株式会社 北村工務店
竣工
2023年8月

古い小屋組みが特徴の内装に無垢材のあしらいが優しさを作り出します。


奥の小さな庭を復活させて小さな緑が見えることで気持ちいい空間になりました


古い建具を利用して落ち着いた感じを醸し出します

小さい庭に緑を増やして季節を楽しみます


外観 もとの開口部をそのまま生かし落ち着いた雰囲気に


店の名前の由来となった田島征三さんの絵本「ふきまんぶく」


定番の「ふきまんぶくライス」


手作りどらやきとほうじ茶のセット