Works引き継がれる町家

About
敷地の間口は4m、奥行き30m、典型的な鰻の寝床です。もともと借家として建てられた築100年になる京町家です。風呂釜の底が抜け、床が傾き老朽化が進んでいましたので、古物商を営まれていたおじいちゃんが亡くなられたのをきっかけに、家を建て替えることを検討されていました。相談を受けて建物を見せていただくと、確かに傷んではいますが構造材はしっかりしています。建て替えると今よりもっと間口の狭い建物になってしまうことや、お父さんは、自分が生まれ育ったこの家に深い愛着を持っておられることもわかりました。こうしたことからI邸は壊されずに息を吹き返すことになりました。
Data
- 工事種別
- 改装
- 所在地
- 京都市上京区
- 工事規模
- 木造2階建一部平屋
- 延床面積
- 116.3㎡
- 施工者
- 乾建設
- 竣工
- 2007年

外観

玄関土間 バイクや自転車も置かれます。表の建具は、3枚引込みの千本格子で、それぞれの建具に引き違いガラス小窓をつけて光と風を通す工夫をしています。既存の石を床にあしらいました。

土間玄関から奥を見る

階段は緩やかに架け替えました。 トップライトからの光が土壁の凹凸を映し出します。

庭に面した座敷を台所・食堂に改装しました。坪庭から柔らかい日差しが差し込みます。

2階ベランダから西隣のお寺の大きな樹が見えます