Works第2長尾保育園 新築工事

About
第2長尾保育園は枚方市東部に位置し、京都府南部の京田辺市とも隣接しています。この地域は京都・大阪・奈良どこへでも通勤が可能で住宅地としての開発が進んでいますが、まだまだ農地が保全されていています。原風景ともいえる田畑が続く見通しの良い景観を大切にすることと、屋外での遊びや自然との触れ合いを大切にしておられる保育内容との関係で、外部へのつながりが設計の大きなテーマでした。
もともとは北側の府道に面した弓型の敷地での建て替えを検討していましたが、水路を挟んで南側にあった園庭の隣地を購入されたことで、まとまった敷地を確保し敷地を移転しての建替えになりました。そのため子ども達は仮設園舎に移動することもなく工事完了まで旧園舎で過ごすことができ、旧園舎が建っていた敷地は建物解体後、緑地帯としてみどり豊かなアプローチと保護者専用の駐車スペースになりました。
保育室は、1階が0・1・2歳児の乳児、2階が3・4・5歳児の幼児ゾーンと大きく分けて構成し、それぞれ園庭に南面させました。園庭に面した1階のテラスと2階のベランダは、それぞれ奥行が2メートルあり、フラットに出入りできる床は保育室の延長としても活用できます。
乳児のお部屋は、床は国産のくるみ材、天井は落ち着いた吸音のフラット天井、壁は包み込まれるような暖色系を基調にし、幼児のお部屋は、床は少し堅めの国産カバ材、天井は屋根なりに上昇感のある伸びやかな勾配天井、壁は成長に合わせた寒色系です。クラスが上がる毎に、床材や囲まれる色や空間が変化して子ども達の五感を刺激することを意識しました。
南に突き出たランチルームは食事をするだけでなく、目の前の畑で育てた野菜を給食に取り入れる保育を実践されているので、調理をしている様子や匂いを感じる厨房とのつながりを大切にしました。野菜の収穫や下ごしらえなど子ども達が活躍する場にもなりますし、園庭に向きに大きく庇をかけて繋がったテラスでは、お餅つきなどの食に関する行事が楽しんでできるようになっています。
Data
- 建築主
- 社会福祉法人長尾会
- 所在地
- 大阪府枚方市
- 構造・規模
- RC造2階建て
- 敷地面積
- 3839.27㎡
- 延床面積
- 1474.54㎡
- 竣工
- 2016年3月
- 施工
- 誠信建設工業(株)
- 定員
- 120名

竣工当時の外観です。旧園舎から移植された樹々も今ではしっかり根付いて緑豊かなアプローチになっています。

門扉横の園名板は陶芸の作家さんに焼いてもらったものです。

玄関正面から見たところ。右手の自動ドアが保護者の出入り口です。

玄関から園庭に抜ける広く伸びやかなホールには、季節折々のしつらえが施されています。

職員室前の階段登り口にも、ちょっとしたコーナーが設けられています。

玄関からすぐの位置にある一時保育室。園庭も専用です。

0歳児保育室。色のついた壁はマグネットが取付けられます。

ある日の0歳児室の風景。東向きの乳児園庭越しに畑が見えます。

清涼感のある白を基調に楽しげなカラーを散りばめました。

1才保育室2

動線を重視してレイアウトした調理室。右手に並んだワゴンはそのままランチルームに引き出せます。

ランチルーム

5才保育室

3才保育室

北向きですがガラスブロックを透して柔らかい光がそそぎます。

遊戯室前の印象的なホールの天井見上げ。天然絞り丸太には誰でも触れることができます。

遊戯室の舞台袖と出入口のホールにも北山杉の天然絞りの柱を使いました。

階段を上がったところ。右が遊戯室、左に上がると屋上庭園です。

屋上園庭2

3.4.5歳児バルコニー

園庭の南から園舎を見る

園庭に作った小川と丸木橋。実のなる木をたくさん植えました。