Worksサービス付き高齢者向け住宅 -咲あん上京-

About

 地域医療を支える拠点として親しまれてきた上京病院跡地に、当法人として初めて建てられたサービス付き高齢者向け住宅です。この計画には、「住み慣れた街で安心して最後まで暮らしたい」という人々の思いに応えたいという法人の構想に加えて、サポート組織「友の会」や地域の方々の思いも様々に込められています。プロジェクトチームで、他の類似施設の見学をさせていただいたり医師やヘルパーなど各分野から意見を出し合って安心の住まいと地域の拠点作りを進めていきました。
 住まいについては、ヘルパーさんから、日々訪問しておられる上京区のお年寄りの住まいを写真で紹介していただき、馴染みの空間について話し合い、台所や洗濯、畳スペースなどに反映されました。また、共用の居間を一番居心地がよく眺めのいいところに配置しました。ゆったりとした椅子に座っておしゃべりしたり、お茶を飲んだりして共に暮らす楽しさを感じていただきたいものです。1階には専用の食堂を設け、フル装備の厨房で食材にこだわった手作りの食事が提供されています。
 咲あん上京のもう一つの特徴は、1階の半分近くが地域の交流スペースとして利用されることです。玄関を入った所に京都ワークハウスの「まんまん堂」カフェがあり、その奥に少人数で集まれる中の間スペース、一番奥は畳の広間になっています。
 カフェは気軽に立ち寄れる場として常連さんも増えてきているようです。中の間では上階に住む居住者と地域の方々の朝の健康体操が始まっています。
 この地域の人々の暮らしに花が咲くような居場所になりますように願っています。

Data

敷地
京都市上京区
構造・規模
鉄骨造6階建
延べ面積
1782.87㎡
施工
株式会社 藤木工務店
竣工
2016年1月

1階は淡い緑色のタイル張りとして、明るく入りやすい雰囲気としています。上部の居住階の外壁は白を基調にしつつ、リブ付きのパネルを使うなど、微妙な陰影をつけ単調な外観に表情をつけています。


共用玄関と軒下空間。天井には内外に渡ってルーバーが取り付いています。


カフェスペース。建物の居住者だけでなく、近隣の方々も立ち寄りやすい明るく開放的な空間になっています。


カフェでは自家製の豚まんが人気。


カフェと奥の多目的スペースは床材の仕様で違いをつけ、段差はなく緩やかに繋がっています。


多目的スペース。朝には恒例の健康体操が行われています。


1階にある内玄関。ここで上下足を履き替えます。右側の部屋は食堂。


食堂。厨房と食堂の間には配膳コーナーをしっかり作っています。窓奥の境界沿いには植栽が青々と育っています。


1から調理ができるよう、しっかりとした設備が整っています。


居住階のエレベーター前ホール。共用の居間スペースにつながり明るく開放的な空間です。奥に見えるのは浴室の扉。

 

共用の居間。


床は桧のフローリングとし、奥のキッチンではしっかりとした調理も可能です。


単調になりがちな廊下は建具のデザインや床のデザインでリズムを持たせています。


介助も必要な利用者が多いため、ゆったりとした浴室になっています。


千本通りから見た外観。リブ付きパネルや白の色味も微妙に変えてデザインしています。