Works築山を囲む増改築 -いなべひまわり保育園-

About

 いなべひまわり保育園は、三重県の最北端に位置するいなべ市にあります。敷地北側には黄色い小さな電車が走る三岐鉄道、西の方には鈴鹿山脈が望めます。12年前に、もと法務局だった建物を改装して乳児保育園を開園され、少人数で家庭的な保育、周辺の豊かな自然環境の中での自然体験や和食膳にこだわった保育を実践してこられました。縁あってホールを中心としたみつばち保育園の保育に出会われ、大規模改修と合わせて0歳児棟の増築と現園舎の改装計画がスタートしました。  
 新しい0歳児棟と本園舎をL型に配置し、保育室とテラスと園庭がつながり、どこからでも出られるようになりました。園庭にはいっぱいに広がるダイナミックな築山がつくられていて、なだらかな坂道や険しい急斜面に子どもたちは毎日毎日挑んでいます。今まで奥まっていた給食室もホールに面して子どもや親とのつながりがより一層良くなりました。

Data

建築主
社会福祉法人 いなべ 福祉会
敷地
1559.48m²
構造・規模
既存棟:RC造平屋建 増築棟:木造2階建
延べ面積
既存棟:459.98㎡ 増築棟:213.66㎡
施工
既存棟:(株)中村組 増築棟:(株)スギシマ技研
竣工
2019年

園庭の大部分を占める大きな築山。月齢の小さな子どもたちにとっては頂上に登りつくのを夢見る憧れの存在。風が吹けば砂が舞い、雨が降れば水みちができ、子どもたちの遊びによって、自然と形が作られていきます。


乳児さんは庇下のウッドデッキから直接保育室へ入ります。


ホール型の保育室。大きなホールをコーナー分けして使います。


園庭につながる木製デッキ。段差がなく、保育室からフラットにデッキに出られます。上部は光を通すガラス庇。


L型のデッキがによって本園と増築棟が繋がっています。庇も深くかかっているため、雨に濡れず移動もできます。


床は無垢の桧のフローリング。奥の厨房は玄関・ホールに面していて子どもたちにも調理の様子や匂いが感じられます。


増築棟の乳児の保育室。各部屋もコンパクトで、落ち着いた空間となっています。