Works高台に建つ平屋

About

 高台に位置し、南には田んぼが広がるのどかな環境にあるお寺の庫裏の建て替え工事です。寺の東側に繋がっていた既存のRC造の庫裏を解体し、木造平屋に建て替えました。
 陽が差しこみ、見晴らしの良い南に大きな開口部を設け、明るく開放的な居間としました。テラスに深くかけた軒は、夏場の日射しは遮蔽しながら、冬の光は室内にしっかりと取り込めるように、奥行きや高さを設定しています。個室・寝室と居間の窓を開け放てば夏には北の山からの気持ちの良い風が流れます。
 それぞれが多忙な日々を過ごしておられる住み手にとって、家での時間は貴重なものです。ゆったりとくつろげる居間・食堂、家事をしながら居間とつながるキッチン、動線が短い回遊式の廊下、時間と天気を気にする必要のない室内物干し場、木の香りを感じながら山を眺めてゆったりと浸かるお風呂など、その時々の時間をより有意義なものにできるよう、互いに意見を出し合いながら計画を進めていきました。
 工事の途中には大工さんが柱や梁を加工している手刻みの現場を見に行ったり、内装のタイル、無垢の床材、杉板張りの外壁、漆喰塗りの壁など、サンプルやカタログに見入りながら一緒に細かな部分まで決めることも出来ました。たくさんの想いを実現できた家になったと思います。

Data

工事種別
新築
所在地
茨木市
構造規模
木造平屋建て(一部2階建て)
延べ床面積
173.07㎡
施工者
村尾工務店
竣工
2020年

居間・食堂 南面サッシは大型の木製ヘーベシーベ窓。既製のアルミサッシでは叶わない特注寸法です。ロフトに続く勾配天井が開放感のある空間を生み出します。居間との繋がりを大事にしたキッチンには収納をたっぷり計画しました。


ウッドデッキ 深い軒とデッキテラス。


外観 ピンコロ石の坂道を登って玄関に至ります。外壁は茶色の着色塗装をした杉板張り。


ロフト 子どもたちが帰ってきた時に泊まることもできる予備室として。リビングとの間には引き込み式の舞良戸があります。


寝室 通風と明かり取りを兼ねた横長の滑り出し窓。


廊下 天井は貼らず、構造材が表された状態です。構造用合板には茶色の着色を施しています。


玄関ポーチ 玄関周りの壁は漆喰塗りとし、ガラススリットの入った桧材の玄関ドア。


トイレ タイルは2丁掛けタイルの4色ミックス。


洗面脱衣室 手洗い台と吊り戸棚はナラ材。カウンターは人造大理石製です。正面のタイルは魚をモチーフにした珍しいタイプのモザイクタイルです。


浴室 在来浴室歳、仕上げは大谷石と桧板。窓からは人目を気にせず山を望めます。