Works細長い空地をいかす -よしだ内科診療所-

About

 医療施設の待合室には窓がないところが多く、体調が悪くて来院しているのに閉塞感からよけいしんどくなりそうで嫌だなと日頃から思っていました。開業当時に設計にかかわらせていただいた、よしだ内科診療所は小さな建物で待合室に面して庭を設けることができていました。開業から20年弱が経過したころ、当初見込んでいた患者数を大きく上回り、地域から求められる内容も変化し既存の建物の増改装では間に合わなくなっていました。そこで、同じ場所で建て替えることになり再び設計させていただいた建物です。
 1階は診療所の中心となる待合室や診察室・処置室など、2階は通所リハビリ(デイケア)、3階は人工透析という構成です。
 床面積は3倍になり、まとまった空地をとることも困難でしたが患者さん達が居心地良く居られるように知恵をしぼりました。建物南側に細長い路地のような庭を設けそれに面して目線ぐらいに高さを抑えた横長の窓を開けて開放感を持たせました。南の庭は狭いながらもこの建物の空間の要です。

Data

敷地
神戸市 400㎡
構造・規模
RC造 地下1階 地上4階
延べ面積
1098㎡
施工
株式会社 柄谷工務店
竣工
2010年9月


外観
コンクリート打放しと白いレンガタイルの外壁に再生木材のルーバーでアクセントをつけています。
外断熱工法を採用しています。


エントランスホール
間接照明が凹凸のあるタイルの壁に柔らかな光を落とします。


待合室
狭いながらも細長い庭が開放感を生み出しています。


南の細長い庭


処置室
床はゴムタイルの模様貼り、壁はコンクリート打放しと白のペンキ、天井は一部分ルーバーにしました。点滴など長時間居ることもあるので、ここでも横長の窓から見える庭が安心感を生み出しています。


処置室からレントゲン室・採尿便所方向を見たところ。部分的に原色を使いアクセントにしています。


2F 通所リハビリテーション(デイケア)の食堂・機能訓練室
正面奥が厨房で調理の様子や音・香りが食欲をそそります。


2F デイケアに付属したカラフルな便所


デイケアに付属した脱衣室から浴室を見たところ。


浴室


3F 透析室


透析室に付属した便所