- 清原
すまいの細部を考察する Vol、11
上棟が終わっていよいよ工事が進んでいくなぁ、とわくわくしていると、電気配線やら、
給排水工事やら、他業種がわちゃわちゃと入ってきます。うちの仕様が木造の構造材を表
しにすることが多いので、電気屋さんが困り果てて連絡をしてくることが多いのです。
「どこ通すねん」と。

給排水はなんだかんだ言っても風呂・トイレ・洗面洗濯・台所だけですが、電気配線は数
えきれないくらいあるので、考えが及ばないところが出てきます。
まず、引き込みだけでも、電気本管・電話・テレビを軒受けして、壁に入り分電盤まで行
きますね。20φほどの管が3 本、その経路どこを通すか。いったん外壁の断熱層を貫通し
て室内側に入ると、断熱の区分からすると室内側を分電盤まで行って欲しい。
1 階のどこか天井付近に分電盤はいて、そこにうまくたどり着いたとして、そこから各部屋へVVF ケブルが20 本ほど出発します。一般的な住宅では天井裏で各部屋へとなりますが、天井を貼らない大和天井みたいな仕上げだと、床に下ろしてから各部屋へとなったりします。床下は断熱の外なのでできれば出したくない。で「どこ通すねん」と。

最近の住宅は根太レス工法が一般的なので、2 階に配線を回すだけでもどこかの梁を貫通させるかEPS をとるかしないと上がれません。2 階にあがっても天井裏から各部屋にいくのが通常ですが、これも天井がないとなると「どこ通すねん」となります。木造ドミでは電気配線は配線用の長押がいて、その裏を室内側に露出で電気が回ります。(長押で隠し
てありますが)壁にコンセントを付けるにしても断熱層を侵入していくことになるので、ふかし壁を作っているのも見たことがあります。コンセントBOX が奥行30mmほどあるのでそれだけふかさないといけません。部屋が狭くなります。そう、水廻りには天井がある。その付近に分電盤を設けていったん振り分け、そこから2 階へ。2 階にEPS をとって天井へ2 階も廊下や階段上は天井を貼ってそこから各個室へ。天井を貼らないのは居室だけにしておいてください。
2 階のEPS は引き込みの本管も1 階におろせるので便利です。天井裏を外気扱いにしているのに、そこから次々と侵入してくる電気配線の時代ではないのではないか