宝塚ひよこ保育園
![]() 現在の園庭。芝は盛りは過ぎましたが、ミカンの実が色づき始めました。丸太の階段に沿って、水仙の球根が植えられ早春には香りの小道になる予定です。 | ![]() [ before ] |
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![]() [ after ] | ![]() 1ヶ月後の青々とした芝生。グランドカバーに植えたクラピアが早くも白い花を咲かせていました。 |
![]() 夏のひとコマ。緑の斜面をバックに水遊び。土手の上には向日葵が咲いています。 |
設計・施工概要
・工事種別
・所在地
・構造
・規模
・延べ床面積
・施工者
・竣工
保育園の園庭計画
兵庫県宝塚市
RC造
3階建
482.07㎡
林建設
2017年3月
設計プランについて
宝塚で園舎を設計させていただいてから、丸々10年が経ちました。竣工当時は河川敷の国有地ということでフェンスで囲った斜面地を、市と交渉して借り受け、子ども達の園庭として芝を貼り青々と育てられていました。
ただ、急な斜面で芝を維持することはむずかしかったらしく、特に子どもの登り降りの激しい部分は土の削れもひどく、中から岩のようなものが露出する部分もあって、雨水によってさらに浸食され抜本的に検討が必要な時期にきていたようです。
保育備品メーカーから人工芝の提案もされたそうですが、園長先生から相談を受けました。子ども達が走りまわらない、なるべく斜面の土が流れない、子どもが本物の土や樹木に触れ合える園庭造り。小さな子どもの森です。
職員の方々との話し合いでは、植物の世話が大変、枯れないか、枝で怪我をしないか、虫にさされないか、不安な意見もいろいろ出ました。そんな中でも少しずつ、実のなる木がいい、四季を感じる花、毛虫が付きにくい木、香りがある花、子ども達にも世話ができるように、野菜も植えたいね、と植えたい樹木と全体の構想が固まっていきました。下から上へ斜面を横切って、丸太で土を押さえながら階段状の小道を作ります。周りに植えた樹木が育って根を張れば、土はより流れにくくなります。
竣工当初の園長先生の献身的な水やりのおかげで、1ヶ月後には早くも樹の下の芝が根付き始めていました。ふと目を上げると、それぞれの木に名前と説明文のついた札が取りつけてあります。職員の手作りで保護者にも好評だそうです。
今年の夏は猛暑続きで水やりが大変だったと思います。それでも、斜面にはぐんぐん伸びた向日葵が咲き誇ったと伺いました。(写真がないのが残念です)