前庭と裏庭のある家
![]() | ![]() 家族室から裏庭方向を見る |
---|---|
![]() 二人で一緒に炊事される生活に合わせて設計したキッチン | ![]() 元の家にあった背の丈柱を移設 新たにお孫さんの背丈が刻まれる |
![]() 左の板塀は元あった物をいったん解体し再度利用した 建物脇のベンチは裏庭の伐採木を利用してつくった | ![]() 家族室から前庭方向を見る 保存した松がよく見える |
設計・施工概要
・工事種別
・所在地
・構造
・規模
・延べ床面積
・施工者
・竣工
住まいの新築
京都市左京区
木造
2階建
約102.77㎡
村尾工務店
2018年3月
設計プランについて
■元の住まいは前庭を眺めながら玄関に至るアプローチが素敵で、裏庭も古い板塀があり樹木もよく手入れされていて風情がありました。家の中も古いものを大事にされている様子が伺われ、そうした良さを引き継ぐことが大切だと私たちは考えました。反面、持ち物が増えて整理がつかない悩みもあり収納をどうするかは建て主のご夫婦と相当に検討を重ねました。
■庭の位置を前とあまり変えないですむように建物を配置し、樹木の一部はそのまま現場で保存しました。建設に支障となった樹木も工事の間ずっと植木屋さんに預かってもらって、建物完成後再移植しました。以前の前庭は家の中からはあまり見えませんでしたが、今回は道路ぎわに板塀を設け外部からの視線をある程度遮れるようにして、庭に面した大きな引き込みのテラス戸を設け、屋内からも前庭の眺めを楽しめるようにしました。一、二階ともに仕切りの建具を開けると一室にでき、前庭と裏庭をつなぐ伸びやかな空間になります。風も良く通り、以前の建物に比べて間口は減り面積も小さくなったのですが、広々と感じられるよう工夫しました。
■収納については持ち物の総量をつかみ、建て主さんには必要な物とそうでない物の区分けをお願いし、私たちはそれに応じて既存家具の置き場を検討したり収納計画をつくり、それを何回も擦り合わせて設計を練り上げていきました。■一階の床はくるみ材を古色仕上げにし、一部の壁は土塗り壁で仕上げて少し古びた感じをだし、新築なのに元の家の気配がするような内装にしました。大事に使ってこられた家での大切な記憶を、新しい建物の中にうまく埋め込みたいと思いながら進めた仕事でした。