2024.10.02

Blog「京・杉の家 」 構造見学会 木造の軸組を見る

9月7日に、木造住宅の構造見学会を行いました。午前、午後の2回に分けて構造の特徴について全体で説明をして、みなさんと一緒に見てまわりました。

この建物は、仕上がりに梁や柱が化粧で見えてくる軸組で、加工は全て大工の手による手刻みで「追っかけ大栓継ぎ」や、柱脚部の「長ほぞ差し込み栓打ち」など、伝統的な技術と金物などの現代的な技術を組み合わせて作っています。昔から伝わる大工さんの技術も見ていただこうと、実物の模型を使って説明させていただきました。

建物の概要や特徴などを説明しています。

 

 

継手や仕口がどのような形で加工されていて接合されるのかを、実物模型を使って説明しています。

説明の内容は、

この建物の耐震性については、耐震等級3をとっており、補建築基準法で規定されている1.5倍の耐力を持った建物としていること、木造2階建てですが構造計算をして、安全性を確認していることなどをお話ししました。

また木材は、通し柱と土台は桧を使っていますが、それ以外は全て杉を使っていて、柱は12cm角、梁幅も12cmあります。見た目にも安心感のある柱や梁を、直接見ていただけました。この時の建物の状態は、柱と梁が組まれて外壁側の構造用パネルが貼られている状態なので、耐力壁になる壁の内部もよく見える状態でした。

柱と土台、基礎を直結している金物(ホールダウン金物)の部分も見ていただけました。

また、山を守っていくために、どのように木材を使うかという話もしました。山から調達してきた大きな直径の木をいろいろなサイズの材料に切り出して使うことで、小さな木ばかりを利用するのではなく、森のさまざまな木を使うことで山を育てていくことができる、そんなことも一緒にお伝えできました。

京都・森と住まい百年の会が企画制作した「木のものがたり」(文・絵 田村灯)という絵本。見学会でも販売していました。

 

2階の部屋から外を眺めています。大きな出窓を作っています。