山田 2023.01.11

Blog「板塀製作」私のすまいづくりvol.31

<板塀製作>

 年末年始のまとまった休みを使い、念願だった板塀を製作しました。家の中が道ゆく人からあまりにも丸見えなため、板塀が目隠しとしての役割をはたしてくれます。板塀を作る際に必要となった材料は以下の通りです。

・アルミ支柱60角8本(ホームセンターではあまりおいていないためネットで注文)
・コンクリート製フェンス基礎180mm×180mm×450mm 8つ(ホームセンターで購入)
・桧板15×120(藤田木材で購入)
・塗料 ウッドステインプロテクター チーク(ネットで購入)
・ステンレスビス(ホームセンターで購入)
・インスタントモルタル(ホームセンターで購入)
・砕石(ホームセンターで購入)

 普通の平坦な土地に塀を建てる際はそれほど面倒ではないのですが、我が家の場合土地が道路に沿って傾斜しており板塀の東西で3〜40cmほど高低差がありました。高低差がある場合、塀の天端を合わせて真っ直ぐに張るか、途中で段差をつけるかになります。風圧に耐える必要もあるため、塀の高さは1800mmまでに抑えたいと考えています。真っ直ぐに張る場合、低い地盤面から塀の高さを1800mmに設定すると、高い地盤の方では1400mmほどの高さにしかならず、目隠しの役割を果たせません。そのため、今回は途中で段差をつけることにしました。また、我が家の南東角の境界線上にはお地蔵蔵さんがおり、その部分については道路側からは施工できません。なので、この部分については以前門柱を作った時と同様に一旦完成させたものを基礎に差し込むという方法で施工しています。

板塀設置前の道路との境界。

 さて、板塀施工の段取りですがまずは図面を描いて、必要な基礎の数や板の枚数を割り出します。アルミ支柱は敷地に高低差があり、場所場所によって長さが変わってくるため図面の段階で全ての寸法を正確に割り出す必要があります。材料の数量と寸法が分かれば発注をします。アルミ支柱は一週間、木材は2週間ほどの納期でした。それ以外の材料は近くのホームセンターに買いに行きます。資材など重量のあるものの運搬のために軽トラを無料で貸し出してくれるので助かります。

 材料が揃ったのでいよいよ施工になりますが、まずは板の塗装をします。4m材の表裏を午前午後に分けて塗ります。塗装は2度塗りが標準なので、2度目の塗装は板塀が出来上がった後に行います。きっちり満遍なく塗装ができるのは施工前ですが、施工中に汚れや傷がついてしまうので、2回目の塗装は見た目を重視して施工後に行うことにしています。

コテバケで塗装しています。門柱の塗装の際は刷毛で塗りましたが、コテバケの方が圧倒的に簡単で、むらなく綺麗に塗れました。


塗りながら、乾燥中。4m材なので、塗ったり乾燥させたりするスペースが結構必要で、あまり多くの枚数は一度に作業できません。

 次に板を乾燥させている間に基礎に取り掛かります。レベル測量器で水平を確認し、水糸を張って基礎の配置や高さを合わせながらひたすら穴を掘り、基礎を埋めていきます。門柱制作の際にも経験していますが、高さを合わせ水平を取る必要があるため、基礎を何度も穴から出し入れするので大変です。基礎の両側には指を引っ掛けられるように持ち手がついていますが、1個約25kgはあるため手先と腰への負担が大きく施工できるギリギリの重さでした。計画当初はもうワンサイズ大きい200mm×200mm×450mmを検討していましたが、その場合1個約35kgあるため、重すぎて施工自体が無理だったと思います。板塀制作の工程の中で基礎の設置が一番大変な工程で、日数的には2日間あれば足りるのですが、間に休日を入れないと体が持ちません。

高さと直線を水糸を使い出しています。


仮で支柱を立てているところ。レーザー水平測量器で示される線を一番右端の支柱にマーキングし、その支柱天端からレーザーで示された線まで測った長さを他の支柱にもマーキングしています。 基礎の穴に採石を入れながら高さを調整し、このマーキングした線の位置をレーザーの線に合わせれば支柱の天端が揃います。

 基礎が終わると次は支柱の設置です。一般的な板塀の場合は支柱を立ててから板を貼っていきますが、今回は地蔵の裏だけ先に2本の支柱に板を貼り付けてから設置しています。支柱の設置は基礎の底に砕石を入れて高さ調整をしながら支柱を立て込み、支柱の天端が同じ高さになるようにします。高さが定まったら、支柱と基礎の隙間にモルタルを充填していきます。このタイミングで支柱の垂直を水平器で確認しながら微調整をします。理想的には斜材を支柱と地面に固定して、モルタルが硬化するまで傾かないようにしてやればいいのですが、面倒ですし少々風が吹いても影響なさそうだったので、そのままにしています。

地蔵裏の板塀を先行して制作。左の支柱の中心で板を継ぎます。立った支柱に板を貼るよりも、地べたで板張り作業する方が手間でした。


1日ほど養生しモルタルが硬化すれば、支柱に板を貼り付けられるようになります。

 モルタルが硬化した後はいよいよ板を張っていきます。見栄えとしては一番上の板がきっちり支柱の天端に揃っているように見せたいので、上から順に板を張っていきたいのですが、そうすると常に板を支柱に仮り固定しておく必要があり、一人で作業をするには非常に手間です。なので、支柱の天端から最下部の板の寸法をきっちり計算し、一番下の板から張っていくことにしました。その場合、最下部の板はきっちり水平を出し、両端と真ん中の支柱にクランプで固定し、留めつけます。それ以降は板と板の間に端材を挟み、板を乗せ、念の為真ん中で1箇所固定してやれば水平を出す必要はなく一人でも簡単に施行ができます。何枚か張った後、支柱天端からの寸法を測ってみましたが1mmのずれもないほどきっちり張れていました。
 板の留め付けは門柱の時と同様に、板と支柱に下穴をドリルで開け、ステンレスのビスで留めていきます。支柱を寝かせて床の上で板を張る作業をするよりも、支柱が立っている方がクランプでの固定もしやすく、板も上から積み上げていけるため、だいぶと楽でした。

最下部の板から貼り始めれば、後の施工が楽になります。


板塀の施工で一番楽しい工程です。一人でもサクサク進んでいきます。


東側の板塀が貼り終わりました。ようやく工程の半分が終わったところです。

 

西側の板塀も東側同様に基礎を設置し、支柱を立て、板を貼っていきます。


見栄えと強度のために折り返しをつけています。

 板を貼り終え、2度目の塗装を行えばようやく完成です。途中正月休みも挟み、塗装を始めて10日間ほどで板塀ができました。板を切断したり、張ったりするのは思いのほか簡単でしたが、基礎と塗装は思っていたよりも時間がかかりました。同じ作業を延々と繰り返すことで、体の同じ箇所が疲れてきて、効率が落ちました。集中力より先に体がついていかなくなるのは、やはり歳と運動不足に起因しているのでしょう。

一番下がすけすけだったため、短めの板を追加し、2度目の塗装を行い完成です。

*当記事の記載内容について妥当性・正確性・最新性を保証するものではありません。当記事の利用により生じたいかなる損害やトラブルに対しても、一切責任を負いません。ご利用の際は、利用者ご自身の責任において行ってください。