山田 2022.11.26

Blog「自分で床を塗ってみた」私のすまいづくりvol.28

オスモフロアークリア

 壁の塗装は事務所の同僚の助けを借りながら計4日くらい現場で作業をすることになりました。思っていたより時間がかかってしまい、「美装工事」の入る1日前になんとか塗り終えることができました。
 美装工事は「洗い」とも呼ばれ、工事の際に出た木屑や汚れなどを綺麗に掃除したり、拭き取ったりする竣工間際の工程になります。この後の工程としては無垢の木を使用している場合は木部のオイル塗装があります。我々の事務所で設計をする際は、床や建具などにクリア塗装を施す場合が多いです。今回建具については建具屋さんの方ですでに塗装(キヌカ)を施してもらっているため、私が塗るのは床と階段室の壁(シナ合板仕上げ)になります。
 以前保育園の設計をした際に最後の床の仕上げを先生達と一緒に塗る機会があったので、作業内容と作業時間についてはなんとなく想像ができました。壁の塗装に比べると簡単で、時間もそれほどかからないはずです。ただ、壁の塗装と同様に2度塗りが標準の仕様となっているため、下塗り後最低12時間は乾燥に時間を取る必要があります。工期がなんだかんだでギリギリとなり、木曜の午前中に下塗りをし、金曜の午前中に仕上げをし、土曜日に引越しというスケジュールを組んでいます。

 塗装をするに際して用意した道具は以下の通りです。
・塗料(オスモ フロアークリア)
・コテバケ
・トレー
・油性塗装用ハケ

 床を塗装する際には床板だけでなく、巾木にもどうしても塗料がついてしまいます。さすがに巾木に養生するのは面倒なので、特に気にならなければ別に養生はなくても良いのではと思います。実際に塗る時はできるだけ換気を取り、スムーズに乾燥を促すのが良いのですが、部屋の奥からドアに向かって塗っていくため、窓がドア付近にあればいいのですがドアから遠いと開けたはいいが、閉められなくなってしまうため、そうそう換気をとるのも簡単ではありませんでした。

コテバケは塗りやすい。

 

奥がカエデで手前が杉のフローリング

 以前の記事で少し触れましたが、我が家の床は色々な樹種を使っており、大部分が杉で、玄関に胡桃、ピアノの部屋に楓、洗面・脱衣にほおの木を使っています。杉以外は広葉樹と呼ばれる硬くて重い材料です。杉が珪藻土のようで、広葉樹はタイルのような感じです。ですので、塗装をした際も杉板の場合は塗料を吸い込む量が多く、しっかり何度も塗っていく必要がありました。反対に広葉樹の床板は少しの量ですごく伸びます。乾燥も早い感じがします。
 下塗り、仕上げが無事終わり、いよいよ引越しの当日を迎えます。取り敢えず換気のため窓を開けに室内に入ると、床がなんだかベタつきます・・・
一応乾燥に必要とされている12時間は経過していますが、夏などに比べて、気温が低いせいかあまり乾燥ができていなかったようです。特に窓から遠い床の部分などは乾燥が全く足りておらずベッタベタです。下塗り後の床はこれほどベタついた感はなかったので、仕上げの際の塗料の量が多かったのかもしれません。きっと塗り終えた後、何日間か養生期間があれば乾燥もできていたんでしょう。ただ、広葉樹の床は問題のないくらい乾燥ができていたため、荷物は基本的には杉板を避け、運び込むように工夫しました。
 そんなこんなで、塗料の塗りすぎ+養生期間が短すぎということもあり、床の塗装はちょっと失敗に終わりました。住み始めてから、少し水に濡らした布で汚れを拭き取ってやれば、それなりに綺麗になりました。

失敗に終わった2回目の塗装。光が当たる部分は比較的乾燥が早いようです。

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