清原 2022.05.25

Blog電気配線 すまいの細部を考察する Vol.11

上棟が終わっていよいよ工事が進んでいくなぁ、とわくわくしていると、電気配線やら、給排水工事やら、他業種がわちゃわちゃと入ってきます。うちの仕様が木造の構造材を表しにすることが多いので、電気屋さんが困り果てて連絡をしてくることが多いのです。

「どこ通すねん」と。

給排水はなんだかんだ言っても風呂・トイレ・洗面・洗濯・台所だけですが、電気配線は数えきれないくらいあるので、考えが及ばないところが出てきます。

まず、引き込みだけでも、電気本管・電話・テレビを軒受けして、壁に入り分電盤まで行きますね。20φほどの管が3本、その経路どこを通すか。いったん外壁の断熱層を貫通して室内側に入ると、断熱の区分からすると室内側を分電盤まで行って欲しい。1階のどこか天井付近に分電盤はいて、そこにうまくたどり着いたとして、そこから各部屋へVVFケーブルが20本ほど出発します。一般的な住宅では天井裏で各部屋へとなりますが、天井を貼らない大和天井みたいな仕上げだと、床に下ろしてから各部屋へとなったりします。床下は断熱の外なのでできれば出したくない。で「どこ通すねん」と。

配線用BOX

最近の住宅は根太レス工法が一般的なので、2階に配線を回すだけでもどこかの梁を貫通させるかEPSをとるかしないと上がれません。2階にあがっても天井裏から各部屋にいくのが通常ですが、これも天井がないとなると「どこ通すねん」となります。木造ドミでは電気配線は配線用の長押がいて、その裏を室内側に露出で電気が回ります。(長押で隠してありますが)壁にコンセントを付けるにしても断熱層を侵入していくことになるので、ふかし壁を作っているのも見たことがあります。コンセントBOXが奥行30mmほどあるのでそれだけふかさないといけません。部屋が狭くなります。

天井の中には電気配線は入っていません。


部屋を一周ぐるっと回ります。

そう、水廻りには天井がある。その付近に分電盤を設けていったん振り分け、そこから2階へ。2階にEPSをとって天井へ2階も廊下や階段上は天井を貼ってそこから各個室へ。天井を貼らないのは居室だけにしておいてください。

2階のEPSは引き込みの本管も1階におろせるので便利です。天井裏を外気扱いにしているのに、そこから次々と侵入してくる電気配線の時代ではないのではないかな。

出来上がりはこの通り、すっきりしています。