樋ノ上保育園
![]() 府営住宅側の道路から見た外観。道路に沿ってゆるく屈曲していて、エアコンの室外機等を隠すルーバーがアクセントになっています。 | ![]() 幼児の各部屋からダイレクトに園庭に降りられる外部階段 |
---|---|
![]() 以前は壁で遮られていた園庭と桜並木 | ![]() 調理室がよく見えるランチルーム。外にはテラスがあり食事を終えた子どもたちの待機場所としても使われる予定です。 |
![]() | ![]() 外遊びの基地にもなる木造倉庫 |
![]() 2階の広くて明るい5才児室。色々なコーナーが設定でき子どもたちはそれぞれに楽しく過ごせます。水色の壁は何でも貼れるマグネット壁でクラスによって色が違います。 | ![]() 玄関の正面に見える印象的な階段と楽しげな絵本コーナー。周りを囲んでいるのは京都の北山垂木丸太で奥に中庭が見えます。 |
設計・施工概要
・工事種別
・所在地
・構造
・規模
・延べ床面積
・施工者
・竣工
保育園の新築工事
大阪府枚方市
RC造
2階建
1657.44㎡
誠信建設工業㈱
2020年2月
設計プランについて
樋之上保育園が建つ場所は枚方市西部の淀川に沿ったのどかな地域です。周辺では対岸の高槻市とを結ぶ高速道路の工事が始まったり、マンションが建設されたりして環境が変化しつつあります。
園舎の西南には高層の府営住宅が立ち並んでいますが、建物の切れ目からは淀川堤防の緑の土手と開けた空が見渡せます。東側は交通量の多い府道でバス停もありますが、南側は府営住宅からの遊歩道になっている桜並木です。並木に隣接する府営住宅の緑豊かな空地など、新たに計画する建物がこの土地の魅力を活かして引き立てられるように考えました。これまでは壁で囲われていた園庭を、建替えを機にネットフェンスにして見通しを良くし、園庭と周辺を視覚的につなげたことで空間的にも道行く人との関係も豊かになったように思います.
保育室は、1階が0・1・2才児の乳児、2階が3・4・5才児の幼児ゾーンに分けて構成し、それぞれの保育室から直接園庭やバルコニーに出られるように大きな開口部を連続して設けました。道路に沿って緩やかに曲がる西側の2階廊下に面した大きな窓からも、淀川堤防の四季折々の風景を見渡せるようになっています。廊下の途中には、変化をつけて広げた子どもたちのたまり場を作りました。
調理室の様子が匂いや音と共に伝わる落ち着いた明るい部屋は、完全給食への移行に伴い新たに設置したランチルームです。北側に開いたテラスからは、周りに植えた実のなる木々越しに隣地の立派な柿の木が見え、この辺りが河川敷の豊かな田園地帯であったことを思い起こせます。これら全てが、ここで過ごす子どもたちの原風景になってくれればと思います。